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村上龍の「歌うクジラ」、一気読み


歌うクジラの表紙。凝った作りになってる。前作と同じく鈴木成一デザイン室によるもの。プラスチックのカバーをはずすと出てくる模様はシーラカンスに似てる気がした。

村上龍の久しぶりの新作「歌うクジラ」を週末に読み終わった。
久しぶりの新作でしかも、村上龍らしい小説でとても面白かったです!

アマゾンのレビューを見ると、変態度が増している、と書いている人がいて笑ってしまった。

ちなみに、amazonの歌うクジラのページでは村上龍の歌うクジラに関するロングインタビューの動画が見れる。
ずっとアキラを移動させ続けると決めていたとか、
出会うことはそれだけで生きていること~という話が良かった。

前作の「半島を出よ」には、延々と説明が続く部分があり読むのがつらい部分が多かったんだけど、新作の「歌うクジラ」はその手の読むのがしんどい(けど必要な)説明部分がわりと少なくて、「半島を出よ」よりはスラスラ読めた。それでもある程度は読むためにエネルギーがいるから、こういう小説がある程度売れる日本は凄いのかもと思う。

村上龍の小説はいいなぁと改めて感じさせられた新作でした。

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ゲーテの村上龍の連載

今月号の雑誌ゲーテの村上龍の連載が良かった。
若者は、若くていいねぇと周りにおだてられて、何もしないうちに年をとって老人になってしまう。という身も蓋もない内容。
村上龍さんは、周りの若者に、自分は23才で芥川賞を取った、だから23才は別に若くないというようなことを言っているらしい。

うまく言えないけども、これは「若いから~」で済まされている問題は、本当は「若さ」とは全然関係ないことかもしれない、と疑うことをした方がよいってことだと、僕は思いました。例えば若いから仕事は下積みから始めなさいとか・・・。常識で済まされてること、特に権力を持った側が言う事には注意しておこうっと。

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「群像」に連載中の村上龍「歌うクジラ」をチラ読み

村上龍さんの新作は「群像」という月刊誌に連載中の「歌うクジラ」。村上龍さんの本はほぼ全部読んでいると思うけど、連載をリアルタイムで読んだことはない。今度も単行本になってから、一気読みするつもりだけども、最近新作本が出ていないこともあって、気になってちょっとだけ読んでみた。歌うクジラの連載は37回目となっていた。一回の文章量は結構あるから、ストーリーは相当進んでると思う。

で、村上龍さんの歌うクジラを読んでみた感想は、まず、凄く読みにくい、というのが正直なところ。電子顕微鏡で虫の構造を描写するみたいに、正確な描写が延々つづく。けどちゃんとじっくり能動的に読むと、じわじわはまっていきのめり込んで読んでしまう。前作の「半島を出よ」も細かい説明などが一杯詰め込まれていて、我慢して読んだ部分があったのを思い出した。 

少ししか読んでいないのでストーリーの流れはわからない。今月の連載だけ読んだ感じでは、日本の人口が減少してるとか、最上階の有志だとか、生殖だとか、発情だとか、上手くいえないんですが、一気のぐっーと引き込まれるものがありました。最初ぱっと目を通したときは、わざわざ難しい専門用語とかを使っている気がして、拒絶反応がありましたが、意思も持って読むと、いっきに心臓を掴まれてストーリーに引き込まれた感じです。ぶっちゃけ、単行本になるのが凄く楽しみになりました。

「歌うクジラ」というタイトルを見て、だいぶん昔に村上龍さんが、CMの撮影か何かで、南極の氷山に行って、いつかこれに関係する小説を書きたいみたいなことを言ってたのを思い出した。南極→クジラで何か関係しているのかなぁ。

2010年7月14日追記
この歌うクジラの連載は、2010年の3月に終わっています。
今日の日経新聞を見ていたら、この歌うクジラのことが載っていて驚きました。

村上龍さんは、この「歌うクジラ」をiPad(アイパッド)向けの電子書籍として、紙の書籍を出版する前に、先行して発売するそうです(発売されましたA Singing Whale – Griot Co.,Ltd.)。紙の方は発売日未定(発売されました→歌うクジラ単行本)。
値段は1500円で、音楽は村上龍さんの友人でもある坂本龍一さんが作曲。アップルから許可が出次第発売するようです。

以下より「歌うクジラ」の購入ができます。
A

日経の記事によると
村上氏は「作家として出版の未来の姿を示したい」として、出版社を介さずに直接配信する。
とのこと。

村上龍さんは以前から、新作を発表するときに、新しいことに取り組んでいたと思うんだけど(インターネットが出てきた頃は有料サイトとかやってた気がする)、商業的には紙の本以外は、パッとしていない印象がある。けど、これはいけそうな気がする。電子書籍ソフトは独自開発というのが少し気になるけど。ちなみにアイフォン版や他のスマートフォン向けの発売も予定されているらしい(iphone版が発売されました)。

探してみたら、歌うクジラの公式サイトも出来ているようです。
検索エンジンでは引っかからなかったので、一応ここにも貼っておきます。まだ作りかけのようです。

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JMMの心理経済学講座セカンドシーズン

心理経済学講座セカンドシーズン / 妙木浩之

作家の村上龍さんがやっている無料メールマガジンの中の心理経済学講座が最近面白い(わざわざメールアドレスを登録しなくても少し遅れて上のリンク先でも無料で中身が読めます)。最初は小難しい話ばかりのような気がして飛ばし読みしていたけど、なぜか気になるので毎回一応読んでいたら、いつも間にか次のメールがくるのが楽しみになっている。よく読んで見ると見掛けの小難しい感じと違って生活に密着したことをわかりやすく丁寧に説明してくれていることに気づく。まあ、それでもここでこんなカタカナ言葉を使う必要があるんだろうか?とたまに思うことはありますけど。

JMMでちゃんと読んでいるのは、月曜版(特に村上龍さんの冒頭のエッセー、山崎元さんの投稿、時々投稿される北野 一さん)、 妙木浩之の心理経済学講座、滝田 明日香さんのマサイマラレポート(JMMの中では一番好きかも)、冷泉 彰彦さんの from 911/USAレポート(これでもかってくらいの長文だけどグイグイ読んでしまう)。

あとはざっと目を通して興味を引くものがあれば拾い読みする感じです。何しろ量が多いから全部きっちり読んでいたら時間がかなり取られてしまう。

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「村上龍」と「綿谷りさ」のありそうで無かった組み合わせ新装版「限りなく透明に近いブルー」

「村上龍」と「綿谷りさ」の組み合わせはいかにもありそうですが私が知る限り今まで無かったんですよね。それが今回、新装版の限りなく透明に近いブルーの解説を綿谷りさが書いていました。結論から先にいうとこの綿谷りさの解説が非常に良かったです。

いつも大型書店に行ったときは、店内を一通り全部見て回ります。文庫のコーナーで村上龍のとこを見ると限りなく透明に近いブルーが新装版になっているのに気づいた。村上龍の小説はほとんど読んでいますが、この限りなく透明に違いブルーは最初の数ページを読んだだけで体が受け付けなくて最後まで通して読んでいない。ただ最後のリリーへの手紙のところはつまみ読みした。新装版の綿谷りさの解説を読んで刺激されたのもあるが、最近この限りなく透明に近いブルーをちゃんと最後まで読めるような気がしてきている。体が欲求しているような気がするんですよね。個人的な理由からなのか、時代の影響からなのか、ただの気のせいなのかはわかりません。

村上龍の「69」が新装版になったときは金原ひとみが解説を書いていました。金原ひとみと村上龍の小説は似ている気がして二人の組み合わせはしっくりくる。ただ小説に暴力とかセックスが出てくるからそう思うだけかもしれない。金原ひとみは子供の頃に村上龍とか山田詠美の小説を読んでいたと何かのインタビューで言っていたのを覚えている。以前FM東京の番組で村上龍と対談もしていた。金原ひとみの声が異様に綺麗だった記憶がある。金原ひとみの小説は新作が出るたびに買ってほとんど読んでいる。彼女の作品は言葉にならないものを表現し普段使わない脳の部分の存在に気づかせてくれる。

綿谷りさと村上龍のからみはいかにもありそうだけど、よく考えると二人は全然合わなそうにも思えます。綿谷りさが子供の頃に村上龍の本を読んでいたというのも聞いたことがなった。でも限りなく透明に近いブルーの解説を書いているのを見た瞬間にやっときたかという印象を持った、と同時に怖いもの見たさで恐る恐る解説を読んだ。

綿谷りさの著書は芥川賞を受賞した「蹴りたい背中」しか読んでいない。綿谷りさが正統派の美人なので、たいした小説は書けないだろうと食わず嫌いだったのかもしれない。「蹴りたい背中」の内容はもう詳しくは覚えていない。読んだときに感じたある種の感情、言葉にならないひとつのある概念みたいなものが小説一冊を通して脳内に浮かびあがって来た記憶は残っている。要するにいっき読みするくらいには面白かった。今度のことをきっかけに綿谷りさの他の作品も読む予定。

綿谷りさの解説を読んで、同時に芥川賞と受賞した綿谷りさと金原ひとみの二人に持っていた印象は実は逆だと感じるようになった。二人の小説を読んでみると一見二人の見た目と同じように金原ひとみがドロドロしていて、綿谷りさがすっきりしているように感じるが、実は綿谷りさの方がドロドロとしたものを心の奥底に持っていて、彼女の方が村上龍に似ていると感じるようになった。綿谷りさが書いていた限りなく透明に近いブルーの解説は予想以上に良くて、脳に強くインプットされてきた。具体的にどうよかったのかは説明できない。ただ、以下のようなことを書いていたのが記録に残っている。例えば、とても臭い腐った食べ物があったとする、村上龍の小説はこの腐った食べ物の匂いを読者に想像させるだけではなく、読者の口を無理やりこじ開け、口の中に突っ込んでこようとする。この表現はすごく正確に村上龍の小説を説明していると思う。

以下、限りなく透明に近いブルーの表紙の移り変わり。
限りなく透明に近いブルー
限りなく透明に近いブルー

1976年に出版された一番最初の単行本の表紙、今でもアマゾンで買えるようですね。意外です。

限りなく透明に近いブルー (講談社文庫 む 3-1)
限りなく透明に近いブルー (講談社文庫 む 3-1)

新装版になる前の文庫の表紙、たぶんずーとこの表紙で変わっていないと思う。カバーデザインは村上龍となっているし、最後の手紙の内容からして村上龍本人が描いたんでしょうか。

限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)
限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)
今回新装版になってこのようになった。この青っぽい色は限りなく透明に近いブルーなんでしょうか。別に新装版になったからではないですが、この本にはこの表紙の方がしっくりきます。以前のリリーの横顔と思われる表紙は、最後のりゅうからリリーへの手紙の内容そのままで、頭にイメージが残らない気がしていた。解説で綿谷りさが書いている読者の頭の中にイメージを作り出すことがなかった。

英文版 限りなく透明に近いブルー - Almost Transparent Blue
英文版 限りなく透明に近いブルー – Almost Transparent Blue
英語版の表紙。英語版のコインロッカーベイビーズを持っていますが似たような雰囲気の表紙。

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夢を与える
夢を与える 綿矢 りさ

おすすめ平均
starsまぁまぁの作品
stars著者の「強み」がすべて失われた
stars普通の出来
stars読んで後悔
stars毒にも薬にもならない

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綿谷りさの一番新しい著書はこれ。国家の罠で有名な佐藤優氏がこういう小説が読まれるなら日本は大丈夫と言って紹介していた気がします。アマゾンの評価はボロボロです。まぁ気にせず読みます。金原ひとみは結構本を出してるけど、綿谷りさは蹴りたい背中 (河出文庫)インストール (河出文庫)の3冊しか書いていないようですね。大学に行ったから忙しかったんでしょうか。これからに期待です。

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