「歌うクジラ」タグアーカイブ

村上龍の「歌うクジラ」、一気読み


歌うクジラの表紙。凝った作りになってる。前作と同じく鈴木成一デザイン室によるもの。プラスチックのカバーをはずすと出てくる模様はシーラカンスに似てる気がした。

村上龍の久しぶりの新作「歌うクジラ」を週末に読み終わった。
久しぶりの新作でしかも、村上龍らしい小説でとても面白かったです!

アマゾンのレビューを見ると、変態度が増している、と書いている人がいて笑ってしまった。

ちなみに、amazonの歌うクジラのページでは村上龍の歌うクジラに関するロングインタビューの動画が見れる。
ずっとアキラを移動させ続けると決めていたとか、
出会うことはそれだけで生きていること~という話が良かった。

前作の「半島を出よ」には、延々と説明が続く部分があり読むのがつらい部分が多かったんだけど、新作の「歌うクジラ」はその手の読むのがしんどい(けど必要な)説明部分がわりと少なくて、「半島を出よ」よりはスラスラ読めた。それでもある程度は読むためにエネルギーがいるから、こういう小説がある程度売れる日本は凄いのかもと思う。

村上龍の小説はいいなぁと改めて感じさせられた新作でした。

1

「群像」に連載中の村上龍「歌うクジラ」をチラ読み

村上龍さんの新作は「群像」という月刊誌に連載中の「歌うクジラ」。村上龍さんの本はほぼ全部読んでいると思うけど、連載をリアルタイムで読んだことはない。今度も単行本になってから、一気読みするつもりだけども、最近新作本が出ていないこともあって、気になってちょっとだけ読んでみた。歌うクジラの連載は37回目となっていた。一回の文章量は結構あるから、ストーリーは相当進んでると思う。

で、村上龍さんの歌うクジラを読んでみた感想は、まず、凄く読みにくい、というのが正直なところ。電子顕微鏡で虫の構造を描写するみたいに、正確な描写が延々つづく。けどちゃんとじっくり能動的に読むと、じわじわはまっていきのめり込んで読んでしまう。前作の「半島を出よ」も細かい説明などが一杯詰め込まれていて、我慢して読んだ部分があったのを思い出した。 

少ししか読んでいないのでストーリーの流れはわからない。今月の連載だけ読んだ感じでは、日本の人口が減少してるとか、最上階の有志だとか、生殖だとか、発情だとか、上手くいえないんですが、一気のぐっーと引き込まれるものがありました。最初ぱっと目を通したときは、わざわざ難しい専門用語とかを使っている気がして、拒絶反応がありましたが、意思も持って読むと、いっきに心臓を掴まれてストーリーに引き込まれた感じです。ぶっちゃけ、単行本になるのが凄く楽しみになりました。

「歌うクジラ」というタイトルを見て、だいぶん昔に村上龍さんが、CMの撮影か何かで、南極の氷山に行って、いつかこれに関係する小説を書きたいみたいなことを言ってたのを思い出した。南極→クジラで何か関係しているのかなぁ。

2010年7月14日追記
この歌うクジラの連載は、2010年の3月に終わっています。
今日の日経新聞を見ていたら、この歌うクジラのことが載っていて驚きました。

村上龍さんは、この「歌うクジラ」をiPad(アイパッド)向けの電子書籍として、紙の書籍を出版する前に、先行して発売するそうです(発売されましたA Singing Whale – Griot Co.,Ltd.)。紙の方は発売日未定(発売されました→歌うクジラ単行本)。
値段は1500円で、音楽は村上龍さんの友人でもある坂本龍一さんが作曲。アップルから許可が出次第発売するようです。

以下より「歌うクジラ」の購入ができます。
A

日経の記事によると
村上氏は「作家として出版の未来の姿を示したい」として、出版社を介さずに直接配信する。
とのこと。

村上龍さんは以前から、新作を発表するときに、新しいことに取り組んでいたと思うんだけど(インターネットが出てきた頃は有料サイトとかやってた気がする)、商業的には紙の本以外は、パッとしていない印象がある。けど、これはいけそうな気がする。電子書籍ソフトは独自開発というのが少し気になるけど。ちなみにアイフォン版や他のスマートフォン向けの発売も予定されているらしい(iphone版が発売されました)。

探してみたら、歌うクジラの公式サイトも出来ているようです。
検索エンジンでは引っかからなかったので、一応ここにも貼っておきます。まだ作りかけのようです。

1