会社は2年で辞めていい(山崎元)を読み返した

会社は2年で辞めていい(山崎元) 
 

「会社は2年で辞めていい」山崎元
 

山崎元さんの「会社は2年で辞めていい」は、だいぶん前に読んだ本です。最近、ふと思い出して読み返してみました。メモ代わりに感想を書いておきます。自分の考えや頭にある情報を文章に書き、アウトプットし、自分自身に役立てる訓練にしたい。
 

そもそも最初に山崎元さんの「会社は2年で辞めていい」を読もうと思った理由は2つある。
 
1つは社会、会社、仕事、そして人の関わりや、その関わりの仕組みについて知りたいという欲求があったこと。
 
もう一つは、山崎元さんの投資関連の本やコラムを読んで、この人の情報には価値があると判断していたこと。
 
その山崎元さんが転職関係の本を出したというのを知って、すぐに買って読んだ。最初に読んだときは、転職に関係する物事の仕組みを正確に丁寧に説明してあり、読み物としても面白く、いっきに読んだのを覚えている。
 
ただ、面白かったので読んだ後すっきりしてしまい、そのまま脳ミソの中の情報を放置していた。
 

「会社は2年で辞めていい」を再度読み返して最初に頭に浮かんだ物を言葉で表現すると、「限られた時間(生物の寿命)を有効に使うために現実を正確に理解し、その中で自分が有利に生きるための方法を考え、そして実行してみる」という物。
 
山崎さんが最初の方で「時は金なり」という格言を出されている。時間は有限というのは誰にとっても絶対だ。こういう確かな情報を一つ一つ直視し正確に理解していくと、自然とその事実を受け入れることができるようになる。そうすることにより物事の仕組みがわかりやすくなり、自分の目の前にある選択肢も明確になる。そんなことを考えた。自分自身の実体験からもそんな気がしている。
 

山崎元さんの「会社は2年で辞めていい」の中で僕にとって特に価値があったのは、稼ぎの仕組みを4つの階級、「エクイティー(株式)階級」、「ボーナス階級」、「給料階級」そして「フリーター階級」にわけて説明してある箇所。
 
僕なりに大雑把にまとめると、
 

エクイティー階級は株式という利益を先取りできるものを持てるから稼ぎが桁違いになる。また会社という物は人を使うための仕組みであり、例えば、100人雇っている会社があり、1人が1年間に100会社に利益を与えるとする、そのうち半分を社員に分配したとして、社員の収入は年間50だが、会社のオーナーだと50*100=5000、年間5000の収入があり社員の100倍になる。この二つの仕組みによりレバレッジがかかって高収入になる。
 
ボーナス階級は証券会社のトレーダーや弁護士、医師などで、競争はあるが代替が難しい仕事をし、かつリスクを取っているから給料階級より高収入。
 
給料階級は安定の変わりに利益を大きく取られ、またボーナス階級より代替可能な労働力であるから収入が1段低くなる、
 
フリーター階級は給料階級よりもさらに容易に代替可能である労働力だから収入が低い。
 
給料階級やフリーター階級が人と同じ努力をしても報われないのは当然で、他人との差が無いと経済的には不利になる。
 
「本書の中では、「同じ」で「取替え可能」で「供給が多い」と値段は安くなるし、売れ残る場合もある。と説明してある。
 
こういう世の中のルールを知るとそのルールの中でどういう生き方をしていくのか戦略を考えやすくなる、できるなら本など読まないで自分で考えて見つけることができればいいのだけども、自分より能力がある人の力は素直に借りようと最近は思うようになった。 
 

上の話を書いていて思い出したことがある。この前、日本語が堪能で日本に詳しい台湾人と話していたときに、日本に行くとあっちでもこっちでも限定販売の商品を売っているから、ついついたくさん買い物してしまう、ということを聞いた。台湾だったら売れるものは売れるだけ作りますから、日本人はほんとに商売上手ですね、と言っていた。たぶん限定販売で儲けるにはある種のブランド力が必要で、それが台湾と日本では違いがあるんだろう。このあたりには人材価値にもつながるものがありそうだ。
 

本の話に戻ると、山崎さんが以前から話されている考え方で、自分を自分ひとりだけ雇っている会社、と考えようという物があり、本書でも説明されている。
 

この会社は、自分の生み出す労働という商品、サービスを売る。よって自分の時間、お金をどこに投資するか、また投資するには調査が必要で、効果的に売るために営業も必要。こういう風に考えると客観的になれるから感情に邪魔されずに冷静な判断をしやすくなるというもの。 
 
これに似たようなことは自分でも実戦している。こういう考え方(自分と対象との関係を客観的に見る)はある物事に対して経験値というか数をこなすと頭のなかに自然発生的に生まれてくるものだという気がしている、自分の経験から言って。山崎さんも転職を繰り返すことによってこういう考え方を身につけたんじゃないだろうか。 
 
ただ多くの人はそれほど転職の数をこなせるわけじゃないから、自分を会社として見る、というところまで行けないんじゃないかな。だからこそ、こういう本には価値があり、想像力を働かせ自分に当てはめてみる、すると有利に生きるために役立つ可能性があると思う。 
 

会社は2年で辞めていい (幻冬舎新書)
会社は2年で辞めていい (幻冬舎新書) 山崎 元

おすすめ平均
starsそりゃ、あんたは
stars会社を辞められる人生設計
stars毒でもあり、薬でもある
starsこの本を読んで、今後の仕事プランを立ててみてはいかがでしょうか。
stars著者は口だけ笑っている人みたいな気がする

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アマゾンの評価もいいですね、「そりゃ、あんたは」って感想を書きたくなる気持ちはわかるけど、それだと時間を浪費してしまう。人間の寿命は案外短い。

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