「本」カテゴリーアーカイブ

「いやな気分をさようなら」を読んでみた

いやな気分よ、さようなら
たまたま大野裕さんの「うつを治す」 (PHP新書)を読んで認知療法をもう少し詳しく知りたくなったでの買ったのがこの本。ちなみにPHP新書の「うつを治す」は新書にしては内容が充実していていい本だと思いました。バーンズ博士の「いやな気分をさようなら」を読んだ後に読み返すとよくまとめた本だなと改めて感心します。大野裕さんの「うつを治す」だけ読んでも認知療法の考え方は十分わかると思いました。

いやな気分よ、さようなら
このデビッド・D.バーンズ博士の「いやな気分をさようなら」は認知療法について非常に詳しく書いてあり本もかなり分厚いです。
ただ半分くらい(上の写真が前半と後半の境目)はうつに関する薬などの説明なので僕はメインの前半部分だけ読みました。認知療法は全部読まなくてもどういうものかわかったんですがより詳しく頭に残るようにするためにはこの本は役に立ちました。認知療法の概念は最初に簡単にわかりやすく書いてあって、具体的な方法など詳細に実際の例なども紹介してあり分厚いですが難解で読みにくい本ではなくとても読みやすい本でした。

僕個人の考えなんですが現実をみて論理的に行動することが大切なんだろうなぁと思いました。当たり前のことなんだけどこれができていないことが結構あるような気がする。多様な価値観に接する機会があり素直に成長できる環境に恵まれていればそういうことが当たり前にできやすいのかもしれない。ただなにかのきっかけで現実を極端によがんで理解するようになったときにそのよがみに気づくためにこの認知療法という考えは役に立つ可能性があると思いました。

楽天BOOKSでのレビュー
アマゾンでも楽天の方でもこの本は評判が良いですね。

〈増補改訂 第2版〉いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法
〈増補改訂 第2版〉いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法 野村 総一郎 David D. Burns

おすすめ平均
stars憂鬱に悩まされている人への本当の道しるべ
stars歪んだ認知を書くことで治す
stars現代人必読の一冊
stars鬱病は考え方だけの問題ではないが
stars人生の見方が変わりました

Amazonで詳しく見る

「うつ」を治す (PHP新書)
「うつ」を治す (PHP新書) 大野 裕

おすすめ平均
starsうまくまとまって、理解しやすい本。
stars平易な文章で必要十分な内容を書いた良書
starsうつ基本書。とくに家族にはお勧めです。
stars初めて、この苦しみをわかってくれる人がいた。。。
stars認知療法のことがよくわかる

Amazonで詳しく見る

この本はよくまとめてあるので最初にこれを読んでよかったと思います。

村上龍の新刊”無趣味のすすめ”で気になったところ

JMMから村上龍の新刊の紹介メールが来ていた。久しぶりの新刊か~と喜んでいたら内容はゲーテに連載されているものを集めたものだった。ゲーテには興味がないが村上龍の連載だけは読んでいるのでちょっとがっかりした。がっかりしたけどまとめて読んでみたかったので目を通してみた。
そういえば連載中の” 歌うクジラ”はいつ単行本になるんだろう?村上龍の年齢からいって残せる長編作品はもうあまりないはず、この歌うクジラには期待している。

”無趣味のすすめ”で僕が気になったは

「オーラの正体」
★その人物に関する物語性を伴った情報がその人物のオーラを形作る。

物語というのはやっかいなものですね

「集中と緊張とリラックス」
★集中と緊張はまったく別のものだ。緊張しているときには何かに集中できない。

車の運転をしているとよくわかる。緊張していると体がガチガチになって余計運転が下手糞になってしまう。余所見をしたりするのではなくリラックスして体にチカラが入ってない時が一番周囲に注意を払えている。

「優れた道具」
★問題は、メモを取らなければいけないほど重要な情報に常に飢えているかどうかだ。

メモに関する本はたくさん出ています。重要なのはメモ自体じゃないのにのめり込んでしまうのは危険です、ええ、自分もそういう傾向があるからやばいです。試験前に部屋の掃除を始めて勉強をしないで終わるタイプはです。少し前に出た””情報は1冊のノートにまとめなさい”はその辺で疑問を感じていた層をうまく取り込んだ感じがする。とにかくできるだけシンプルにやってメモは忘れるための儀式だ!とまで言っていた気がする。メモなどはただの手段に過ぎないのだから懲りすぎないのがポイントだと思う。

「ときに投資は希望を生むが…」
★貯蓄が提供するのは「安心」だが、投資はときに「希望」を生むことがある。

1日24時間というものをどう使うか?これが一番基本的な投資というもの。まいにちコツコツやってる人にはかなわないと、語学を身につけた人をみているとよく思います。

「金融不安と大不況」
★新鮮な空気を吸うためには、外に出る必要がある。

不安になって限界まで追い詰められると、自然と外に目を向けるのは本能なんだろうか。

「ビジネスにおける文章」
★正確で簡潔な文章という理想があるだけである。

これがこの本で一番印象に残った文章。僕はだらだらわかりにくい文章を書いてしまうので、胸がチクリとしました。ダメな文章を書く人は自分が何を書きたいかわかっていないのではないか?はいその通りです。

「企画の立て方」
★アイデアは「組み合わせ」であって、発見などではない。

自分が優秀だと思い込んでるとアイデアを0から生み出そうとして苦労します。その点本当に優秀な人は組み合わせの大切さに気づいていて、情報を取り入れることに柔軟な気がします。情報に飢えているけども多数派に流されないという感じでしょうか。

村上龍はいつも僕が脳内に想定しているハードルのひとつ上を越えてくる、それはこの”無趣味のすすめ”でも変わっていなかった。
昔、初めて村上龍の本に出会ったとき、こんなのめり込める小説があるのかと驚いた。そしてつぎつぎに彼の作品を読み漁っていくと作品の書かれた年代順に関係なくそれまでに読んだ村上龍の小説によって僕の脳内に作られた村上龍の小説に対する評価のハードルを常に上回ってきて興奮した。この本を読んでその頃の脳内の化学変化を思い出した。

とても面白い本ですが、他人が言うことをそのまま真に受けたらいけないので、まずはこのブログに感想を書いてみました。

無趣味のすすめ
無趣味のすすめ 村上龍

おすすめ平均
stars(悲しいが)長年のファンには力の衰えを感じさせる作品。
stars才能を浪費する天才
starsしょせん村上龍はドラッカーにはなれない
stars無理して趣味を作る必要はない。

Amazonで詳しく見る

ハチはなぜ大量死したのか ローワン・ジェイコブセン(著)

2007年春までに北半球から四分の一のハチが消えたという「蜂群崩壊症候群発生(CCD)」に関するもの。久しぶりにわくわくしていっきに読んだ本。この本を買ったきっかけは本屋で「ハチはなぜ大量死したのか」というタイトルを見て、以前ニュースでみかけたアメリカで大量のミツバチが失踪してアーモンドやブルーベリーの価格が上昇するというような報道を思い出したからです。まだ資源価格が上昇していた頃だったのでまた値上がりか~くらいに思いつつ値上がりの原因が他の物とは違っていたので頭の隅にひっかかっていた。このニュースをみていなければ本屋で「ハチはなぜ大量死したのか」という本を見てもただのトンデモ本と思って手に取らなかったかもしれません、知り合いにこの本を面白いよと紹介したら、トンデモ本の類ですか?みたいな反応が返ってきたし・・・。

最後のほうに載っていたハチミツの効能のところで、ハチミツの持つ強力な殺菌力について書いてあってへーと思った。ハチミツの持つ殺菌力は別に毒を持っているとかじゃなくてハチミツの濃度が濃いために強力な浸透圧によって細菌の水分を吸い取ってしまい細菌を殺すらしい。よく考えるとハチミツって蜂の巣のなかにあってなんで腐らないのか不思議だったし、お店で買うハチミツも常温で保存していて腐ったりしないのを疑問に思いつつもよく考えたことがなかったのでなるほど!と妙に関心してしまった。あと傷口にハチミツを塗ると良いという話も聞いたことがあるけど、これにも根拠があって傷口を回復するのに最適な湿り具合とハチミツが持つ殺菌力が雑菌を殺すことによって傷の治りが早くなるらしい。

ハチはなぜ大量死したのか
ハチはなぜ大量死したのか 中里 京子

Amazonで詳しく見る

関係ないけどこの本の表紙のミツバチの拡大写真がとても素晴らしい。本を読んだ後に見るとさらに素晴らしく見えてくる。見てると飽きないし飽くなき好奇心を刺激される。このミツバチの拡大写真を見ながら生き物に対する興味は一生持ち続けるんだろうなぁとあらためて思った。