「大発見」の思考法 (文春新書)
こういう本当に優秀な人の本を読むと、頭が刺激される。
iPS細胞の山中伸弥さんとノーベル賞を取った益川敏英さんの対談。
頭に残ったことのメモ。
- 人間には2種類いる。最短距離の直線で目標に向かう人と、回り道をしてグルグル遠回りして目標に向かう人。
- ほとんどの人は最短距離を選びたいと思うが、二人はその時その時で、ふらふらと面白い方向に向かっていった。
- 最近の学生は、実験機器の進化によって、何かやっているという実感をもてない人が多い。
- 次世代のDNAシークエンサーの仕組みなど、正確にわかってる人はほとんどいない。
- そういうことを気にするんではなく、課題を見つけることが重要。
- みんなわからないんだから、とにかく実際に実験してみる。
- 予想外の実験結果が出たときに、がっかりするんでなく、それをきちんと観察できる人がいい。
- 夜遅くまで残って論文を書いたり、実験してる人がいるが、何のためにやってるかちゃんと考える必要がある。
- 大きなビジョンをもって、実際には、できることを着実にやる。
- 日本だとポスドクで行き詰る人が多いが、米国だと他に道がたくさんあるので、ネガティブなイメージはなく、幸せに生きてる人が多い。
- 頭がいい人はある程度まではすんなり行くが、そこでピタッと止まってしまう。
- 米国の大学で、プレゼンテーションの訓練をして、人間が変わった(山中教授)
- 日本で研究してるのは、家族がいるから。
一般的に思われてるだろうこういう優秀な人たちのイメージと、実際に本人たちが話す内容から感じるイメージとの間には凄くギャップがあるというのが一番印象に残った。特に山中教授のほうは、学生時代はラグビーをやってたとか、研究から離れて医者として働いたり、米国から帰って日本の研究環境に失望してウツになって、研究をやめようと思ったとか、生物学を勉強した記憶はないとか、興味深い。