「脳」タグアーカイブ

情報に出会うより引き出すことが大切

今本屋に置いてある、日経ビジネスアソシエに面白い記事が載ってる。

人間の記憶の話についてで、人間は生き残るために必要な情報以外は忘れるようにできている。だから歴史の年号などは脳に繰り返し覚えさせて大切な情報だと錯覚させないといけない。これはよく聞く話。ここからが私が知らなかった話です。今までは情報に繰り返し「出会う」ことが記憶に大切だと考えられていたけど、少し前に出た論文によると、重要なのは繰り返し情報を「引き出す」ことだという結論が出たという話。

だから何事でもわからなくてもどんどん使ってみることが重要だということでしょう。マネが上手い人ほど、技術の習得が速いというのもこの話と関係しているような気がする。

1

ねむりを生活に役立てる

http://www.1101.com/suimin/ikegaya/index.html
ねむりと記憶 池谷祐二+糸井重里

眠りについての面白い記事があったので自分のためにポイントと考えたことをメモ

眠りは充電ではなくもっと重要なもの
眠っている時は瞬間瞬間で合計30%づつ神経細胞が使われているが、深い眠りのノンレム睡眠の時は100%使っている
ある実験では難しい問題を見せてすぐ眠ったほうが長時間考え続けるより、正解率が高い
眠りの時に様々な組み合わせを高速回転させている
様々な組み合わせを作ることにより生活のなかで一見関係ないようなことの因果関係を見つけているのではないか?

寝なくても同じような効果が出る方法→周囲を暗くしてじっとしている
おそらく必要なのは睡眠そのものではなく、情報をシャットアウトすること
脳は情報を集め保管するという機能があり、それぞれ同時にはできない。
起きてる間に情報を集め、寝ている間に保管している?
寝ているときに脳は重要な働きをしているから朝は自然に起きるのがよい
脳波を取る機能がある目覚まし時計が一番よい

人と人の間でやっているようなことを神経細胞同士もやっている。
A→B→C→Dという物にA→B→F→Dという、いきなり異質なFが入ってくる。
寝ている間にFという物を入れた組み合わせを作っている、しかしFという物は情報として外から取り込まないと駄目

脳の機能は「予測」に収束される
予測が外れたときに脳が動いて修正する
人と話すときも予想外の話の流れになると違和感を感じる
逆に考えると、相手が予想していることを予想して話すと、会話がスムーズに行きやすい

サルは物事を判断するのが非常に早い
人間はとてもかなわないくらいの違いがある
しかしサルの判断の速さは予期しないことが起きたときに命取りになる(融通が利かないから)

生きていくのに必要な機能は脳幹にある
人間は脳幹の外側にある大脳皮質が非常に発達しているので、時として脳幹の機能を抑えてしまう
大脳皮質は論理、効率などで考えようとする
脳幹の方は直感やセンス
よって脳幹の方が勝ったときに大脳皮質で説明できない
また大脳皮質が強すぎるために直感やセンスを駄目にし、「国のために死ぬ」なんてことも起きる
脳幹の機能も大切なので身体性も大切にしないといけない

この大脳皮質と脳幹の関係で、自分が生きていく過程において知りたいのは
何かを判断するときに、論理的に考えて出した結論と
よくわからないけど直感やセンスと感じるもので出した結論とどちらが正しいのか?ということで
この直感やセンスという物は元のなる経験をつんでおくというのは勿論だけど
もう一つは直感やセンスというものに敏感になっておくってことなんだろうなーと思った。

1

脳と体の仕組みを知り生活に役立てる

http://www.ntt.com/b-advance/column/leader/vol_46/index2.html
池谷 裕二 インタビュー記事

この人の本は何冊か読んでいる。
実際の生活に役立てようと思うなら、このインタビュー記事はポイントを短くまとめてありわかりやすい。

自分で読んでポイントをメモしておく。

直感(intution)とひらめき(inspiration)は別のもの

ひらめきは論理的に説明できる。直感は理由は説明できないが、正しいもの。
直感とただのでたらめの違いは経験による裏づけがあるか。

直感とは

直感をつかさどる領域はコップを握ったり、自転車に乗ったりするときに使われる領域と同じ。
ポイントが二つあって、

  • 実際に繰り返し訓練することでできるようになる。「自転車の乗り方の本」を読んでもだめ。
  • 無意識にできるようになる。覚えようとしても無理で、繰り返し練習することで自然にできるようになる。

直感も同じで経験により蓄積されていくが、使われるときは無意識。
直感を生む部分は明らかに女性の方が強くできている。

アイデアの出し方

前提となる知識を溜め込んで待つしかない
アイデアは組み合わせ
自由意志はなく自由拒否しかないから出てきたアイデアを選別することしかできない
(有名なボタンの実験:好きなときにボタンを押してもらうと、実際にボタンを押そうという意思が出る前に、脳でボタンを押す部分が動き出している。よって意思は後付で自由意志はない。しかし最後の行動を拒否する自由拒否はある。)
子供は自由拒否が下手だから、平気で失礼なことを言ってしまう。大人は自由拒否が上手いので子供のように失礼なことが頭に浮かぶが、言葉には出さない。

意思の力でアイデアを出すことはできないから、基礎となる知識を頭に入れてアイデアが出るのを待つしかない。その中から使えないアイデアを拒否し残ったものを使う。

アイデアをたくさん出すには

脳の揺らぎが大切、歩くのが良い。
シータ派が出やすいのは三上(馬上、枕上、厠上)、つまり車や電車の中、ベットの中、トイレの中。
場所が変わるという環境の変化が大切。また寝ているときにもシータ派が出る。
トイレも行くときに場所が変わるからいい。
考え続けていることが大切、完全にリセットすると良くない。

シータ波が出ると記憶の吸収がよくなる。

  1. 自分で歩いているとき
  2. 乗り物を運転しているとき
  3. ただ乗り物を乗っているとき

3つともシータ波が出るが、一番出るのは1。

脳の働きを考える簡単な方法
自分が野生動物だったらと考える。
ライオンは朝夕に狩に出かける。魚がつれやすいのも朝夕(魚が狩をする時間帯)。
つまり朝夕に集中力や記憶力が高まる。

生身の体が重要
脳が大きくなったのは人とのコミュニケーションとう社会性のため。
アイデアが生まれるのはメールをしているときではなく、人と直接会話をしているとき。
実際に体を使うことが大切。パソコンにかじりついているだけじゃ脳は活性化しない。
体が動くことにより場所が変わることによりシータ波が出て脳が活性化する。

行動が脳のスイッチを入れる
脳より体が先にできた。
脳がない生物はいるが、体がない生物はいない。
やる気が出ないときは、とりあえず体を先に動かすことが大切。

1

「のうだま―やる気の秘密」を読んで考えたこと

「のうだま―やる気の秘密」を読んだので感想を書いておく。
「ほぼ日刊イトイ新聞 – 脳の暗黒大陸」こちらにこの本についての上大岡トメさん×池谷裕二×糸井重里の対談があります。

結論から書くと、「のうだま―やる気の秘密」は案外良い本なので3日坊主に悩んでいる人にはおすすめ。ぶっちゃけ最初と最後だけ読めば5分で内容は頭に入ります。けど上大岡トメさんの絵と文章も読んだほうが頭に入りやすいです。
僕はこの本の存在自体知らなくて、池谷裕二 単純な脳、複雑な「私」を買いに行ったら横に並べてあったので読んでみました。もっと売れていい本だと思うけど「のうだま―やる気の秘密」というタイトルが良くないんだろうか。

以下、「のうだま―やる気の秘密」の読書メモ

三日坊主はあたりまえ。当たり前だと認めたうえで戦略を練る。
例えば新しい電気製品を買って便利だと感動する。でもいつまでも感動していたら生活環境すべての物に感動しつづけることになる。
だから慣れることは生きていくための当然の機能。

脳は頭蓋骨の中の暗闇に閉じ込められている。外から刺激を与えないとやる気は出てこない。

やる気を出すためには以下の4つが効く

  • 行動:まずは体を動かす。勉強ならとりあえず机に座るとか。
  • 刺激:毎回同じことをしていたら飽きやすい。ちょっとした刺激を定期的に与える。
  • 報酬:上手く行ったときに報酬を与える。
  • 成り切り:設定している目標に到達したときの自分に成りきる。

これだけなんですが、こうやって書くとわかりにくい。実際に「のうだま―やる気の秘密」を読むとよくわかるんですが。自分の経験と照らし合わせても当たっていると思います。

この4つを見ると学校がよくできたシステムだとわかります。
行動:学校に通学する。教室で机に座って勉強する。
刺激:同級生がいる。授業があって毎回進展がある。
報酬:学校が規則があるので終わると開放され気持ちよく感じる、授業の後の休み時間も。学校に行くと将来楽だという雰囲気がある。
成り切り:卒業したら自由に楽になれる、例えば高校なら大学生を見て。というわかりやすいお手本があるから想像しやすい。

他に例えば語学を勉強するとして独学より語学学校に行ったほうが続きやすいのは
行動:学校に通う
刺激:同級生がいる。授業が強制的に進む。
報酬:お金を払うから学校に行くことで無駄にしなかったという報酬がある。
成り切り:ネイティブの人と接するのでネイティブに成り切りやすい

今、私が独学でやっている中国語の勉強が続いているのをあてはめると
行動:勉強机を用意して環境を整えているから机に座って勉強するという行動に移りやすくしている。やる気が無くても取りあえずノートに文字を書くようにしている。夜寝るとき本を読む習慣があるので本の種類を中国語に変えることで応用。
刺激:中国人と直接話す機会がある。知らない分野をどんどん勉強している。基礎を1から完璧に100%やろうとしてないからどんどん刺激を受ける。100%やろうとしたら飽きて続きにくい。
報酬:中国人と話すたびに前より話せるようになってることが実感できる。参考書の学習が着実に進んでいるのを見てどのくらい身についたか確認できる。
成り切り:中国人と話す機会があるので中国人になった気になりやすい。

具体例を考えてから再度4つのことを自分なりにまとめると
行動:勉強なら机に座る、ノートに書く。
刺激:同じことを繰り返しやり過ぎない。新しい分野に行く。新しい参考書、情報、に触れる。
報酬:小さいステップで目標を定めて、クリアしたものを確認しやすくすると達成感が得られる。先行投資することで損せずに済むという報酬が得られる。
成り切り:具体的な目標を定める。語学なら現地に旅行で行くとか。実際に生の情報に触れるとなり切りやすい。

よく考えると「のうだま―やる気の秘密」に書いてあることは試行錯誤している人たちが自然にやっていることです。でもこの本みたいに科学の分野の話として書かれているともっと意識して応用できると思います。4つの中で僕が一番重要だと思うのは、報酬を与えることです。それもできるだけ具体的な小さなステップに分けて、それを達成することで達成感という報酬をえることです。この具体的なことをやった、という気持ちよさの威力は相当なものです。それと、私の場合、一つ得していると思うのは、昔から寝る前にベッドで本を読むという習慣があったので、何か勉強したいときはその本を読むことが習慣化しやすいことです。本を読む習慣があるからあとは、どんな本を読むか?が問題で、最初はサルにもわかる式の本を数冊読み全体像把握、詳しい本を買って一分野ずつ大まかに理解していく、上級者向けの本を見て自分の理解力とのギャップを確認する。これは今まで試行錯誤してたどり着いた自分なりの方法です。問題は本だけじゃ学べないことがあるからで、その辺がこれからの課題です。

のうだま―やる気の秘密
のうだま―やる気の秘密 上大岡 トメ

おすすめ平均
stars読むべきかどうか迷うなら、読め!
stars三日坊主が解消できそう
starsやってみる(行動力)の意味を知る点でグッド
stars脳はあきっぽくできていて三日坊主は当然である・・・。
stars脳を味方につけるのだ。

Amazonで詳しく見る by G-Tools

1

茂木健一郎の講演の音声ファイルを聴いてみた

http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20090606
梅田望夫

http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2008/10/post-01d8.html
茂木健一郎

梅田望夫さんが紹介されていたので、茂木健一郎さんの講演のMP3を始めて聞いてみた。
結論からいうと、茂木健一郎さんが何に興味があるのか少しだけわかった。
講演の最後の方で「今は学問が細分化しすぎて、人生とは関係がなくなっている、究極的にはいかに生きるのかを教えてくれるのが学問」というようなことを言っていて、ああだから何をやっているのかわかりにくいのか、ということがわかった。
今までテレビで見たり、勉強法の本を読んだことはあるけど、正直何に興味がある人なのか全然わかっていなかった。広く浅く適当にやってるようなイメージを持ってたのでこれを聞いてよかったです。

以下いくつか気になったところをメモしておきます。

  • 人間は目を見るとドーパミンが出る。目を見ることは大切。
  • ミラーニューロン。鏡に映したように、自分と他人を比べることができる。
  • ミラーニューロンが働くには抽象的でなく、具体的に体を動かすことが必要。
  • ミラーテスト。鏡の中の自分を自分だと認識できるか。額にシールを貼り、鏡を見て自分の額のシールに気づくかどうか調べる。
  • ミラーテストを通過できるのは人間、チンパンジーなど極限られて動物だけ。ミラーニューロンのおかげで共感できる。
  • ミラーテストを通過できる他の動物と人間の違いは、相手の心を読めるかどうか。人間は相手がポーカーフェイスでも心の中を読める。
  • しかし相手の心を完璧には読めないから、相手を思いやって発言する。これが人間の尊厳。
  • 心にあるものをすべて発言してしまうのは、無意識の垂れ流し。
  • 相手の心がわかるためには教養が必要。勉強ができるのに他人の心がわからない人は本当の意味では勉強ができていない。
  • ケンブリッジ時代の恩師の発言。「書けよ。そうすればわかるから」←なかなか文章が書けない人への発言。
  • 生の人間を前にしないと、人間は本気になれない。
  • いかに生きるかを教えてくれるのが学問

文章が書けない時に、とにかく書き始めると書けてしまう。というのはよくわかる。自分の経験でいうと、少し前から、考えていることや思いついたことなどをメモ帳に書くようになってあきらかに前より頭の中が整理されるスピードが速くなった。書くことでどんどん考えが前に進んで、手が勝手に考えてくれるイメージ。本田宗一郎が手で考えるということを言ったり、村上龍が頭じゃなくて、パソコンの画面を見ながら、キーボードを打つ手が対話しながら小説を書いているというようなことを言っていたが、それも似たようなことなんだろうか。脳科学がもっと進んで科学的にはっきりわかると面白そうです。

1