「のうだま―やる気の秘密」を読んだので感想を書いておく。
「ほぼ日刊イトイ新聞 – 脳の暗黒大陸」こちらにこの本についての上大岡トメさん×池谷裕二×糸井重里の対談があります。
結論から書くと、「のうだま―やる気の秘密」は案外良い本なので3日坊主に悩んでいる人にはおすすめ。ぶっちゃけ最初と最後だけ読めば5分で内容は頭に入ります。けど上大岡トメさんの絵と文章も読んだほうが頭に入りやすいです。
僕はこの本の存在自体知らなくて、池谷裕二 単純な脳、複雑な「私」を買いに行ったら横に並べてあったので読んでみました。もっと売れていい本だと思うけど「のうだま―やる気の秘密」というタイトルが良くないんだろうか。
以下、「のうだま―やる気の秘密」の読書メモ
三日坊主はあたりまえ。当たり前だと認めたうえで戦略を練る。
例えば新しい電気製品を買って便利だと感動する。でもいつまでも感動していたら生活環境すべての物に感動しつづけることになる。
だから慣れることは生きていくための当然の機能。
脳は頭蓋骨の中の暗闇に閉じ込められている。外から刺激を与えないとやる気は出てこない。
やる気を出すためには以下の4つが効く
- 行動:まずは体を動かす。勉強ならとりあえず机に座るとか。
- 刺激:毎回同じことをしていたら飽きやすい。ちょっとした刺激を定期的に与える。
- 報酬:上手く行ったときに報酬を与える。
- 成り切り:設定している目標に到達したときの自分に成りきる。
これだけなんですが、こうやって書くとわかりにくい。実際に「のうだま―やる気の秘密」を読むとよくわかるんですが。自分の経験と照らし合わせても当たっていると思います。
この4つを見ると学校がよくできたシステムだとわかります。
行動:学校に通学する。教室で机に座って勉強する。
刺激:同級生がいる。授業があって毎回進展がある。
報酬:学校が規則があるので終わると開放され気持ちよく感じる、授業の後の休み時間も。学校に行くと将来楽だという雰囲気がある。
成り切り:卒業したら自由に楽になれる、例えば高校なら大学生を見て。というわかりやすいお手本があるから想像しやすい。
他に例えば語学を勉強するとして独学より語学学校に行ったほうが続きやすいのは
行動:学校に通う
刺激:同級生がいる。授業が強制的に進む。
報酬:お金を払うから学校に行くことで無駄にしなかったという報酬がある。
成り切り:ネイティブの人と接するのでネイティブに成り切りやすい
今、私が独学でやっている中国語の勉強が続いているのをあてはめると
行動:勉強机を用意して環境を整えているから机に座って勉強するという行動に移りやすくしている。やる気が無くても取りあえずノートに文字を書くようにしている。夜寝るとき本を読む習慣があるので本の種類を中国語に変えることで応用。
刺激:中国人と直接話す機会がある。知らない分野をどんどん勉強している。基礎を1から完璧に100%やろうとしてないからどんどん刺激を受ける。100%やろうとしたら飽きて続きにくい。
報酬:中国人と話すたびに前より話せるようになってることが実感できる。参考書の学習が着実に進んでいるのを見てどのくらい身についたか確認できる。
成り切り:中国人と話す機会があるので中国人になった気になりやすい。
具体例を考えてから再度4つのことを自分なりにまとめると
行動:勉強なら机に座る、ノートに書く。
刺激:同じことを繰り返しやり過ぎない。新しい分野に行く。新しい参考書、情報、に触れる。
報酬:小さいステップで目標を定めて、クリアしたものを確認しやすくすると達成感が得られる。先行投資することで損せずに済むという報酬が得られる。
成り切り:具体的な目標を定める。語学なら現地に旅行で行くとか。実際に生の情報に触れるとなり切りやすい。
よく考えると「のうだま―やる気の秘密」に書いてあることは試行錯誤している人たちが自然にやっていることです。でもこの本みたいに科学の分野の話として書かれているともっと意識して応用できると思います。4つの中で僕が一番重要だと思うのは、報酬を与えることです。それもできるだけ具体的な小さなステップに分けて、それを達成することで達成感という報酬をえることです。この具体的なことをやった、という気持ちよさの威力は相当なものです。それと、私の場合、一つ得していると思うのは、昔から寝る前にベッドで本を読むという習慣があったので、何か勉強したいときはその本を読むことが習慣化しやすいことです。本を読む習慣があるからあとは、どんな本を読むか?が問題で、最初はサルにもわかる式の本を数冊読み全体像把握、詳しい本を買って一分野ずつ大まかに理解していく、上級者向けの本を見て自分の理解力とのギャップを確認する。これは今まで試行錯誤してたどり着いた自分なりの方法です。問題は本だけじゃ学べないことがあるからで、その辺がこれからの課題です。