最近、中国関連のニュースで特によく耳にするようになったシャドーバンキング(影の銀行)の理財商品を実際に買っている中国人と話す機会があったので、いろいろ聞いてみた。
まず、理財商品って危なくないの?と聞くと、理財商品(中国語では理财产品)にもいろんな種類があり、分類がされていて、安全だと思う物しか買わない。危険度は等級で分けられていて、1級、2級、3級、4級、5級があり、等級が上がるほど危険で利率も高い。自分は1級、2級、3級辺りのものしか買わない。これらの物で利率は年利6%くらいまで、実際には1年も預けなくて、3ヶ月とか短期の物を買う。理財商品は最低購入金額があり、これも種類により違い、最低が5万元(80万円ちょい)からなので、大卒で働き始めたばかり、のような人は買えない。と教えてくれた。
そもそもなんで理財商品とか買うの?と聞くと、銀行に預けると金利は3%くらい、でも通貨膨張率(中国語で通貨膨張率という単語を使っていたけど、日本で言う消費者物価指数の上昇率のことだと思う)が高くて、銀行に預けているのは損という感覚があり、理財商品の中でも比較的安全で利率が6%程度の物を利用すると、銀行に預けるより2%~3%は儲かる、だから理財商品を利用するとのこと。
公式に発表されている中国の消費者物価上昇率は、
- 2010年3.3%
- 2011年5.4%
- 2012年2.6%
- 2013年(まだ未発表、約3%と予想されてる)
実際の物価上昇率はもっと高いとも言われているけど、
これで銀行の金利は年利約3%、
たしかにこれを見ると、銀行に預けたくなくなるのもわかる気がする。
今、中国の銀行にお金を預けると、
1年定期で金利は約3%。逆に借りる場合は、金利約6%。
マンションを買う場合はローン(中国語で贷款)を使い、この金利が約6%で普通は20年ローンを組み、返済額は借りた額の2倍弱になる。
もう一つ興味が湧いた話は、いろんな人が中国の不動産はバブルでもう弾けるといい、マンション価格は下がる下がると言われ続けながらも、ずっと上昇を続けていたマンション価格が、最近、とうとう上がらなくなってきた、という話。マンション価格が下がり始めるとたくさんの会社が倒産して自殺する人も増えるだろうとのこと。少し前に中国の興業銀行(兴业银行、Industrial Bank)が不動産への融資を停止してニュースになったらしいけど、この銀行は昔は小さい銀行だったのが、積極的に不動産投資をしたことで急激に成長した銀行として有名だと教えてくれた。
こういう話はニュースで聞いてもなかなか頭に入らないけど、直接関わっている人から話を聞けると、すぐ頭に入ってくるし、自分の理解を補正できるのでありがたいと思った。