「本」カテゴリーアーカイブ

希望学

希望学 (中公新書ラクレ)

希望学 玄田有史

アマゾンの評価みるとボロボロだけど、自分は面白く読めました。
数学者の、希望を持つのは精神論ではなく、スキルの問題です、という言葉がいい。
何か興味をもったことがあったら、そのために必要なことをリストアップして、優先順位を決めて、挫折したらその原因を探って修正して・・・ということを意識してやると相当違ってくると思うんですよね。

巻末の対談も面白くて、希望を持つためには他者性が大事という話。
例えば、モデルになりたい人がいたとして、
モデルになるために、オーディションを受けるという行動に移せる人は、オーディションに落ちてもその過程で様々な他者と出会う。でも、何もしなかった人は、他者に出会えないから、予想できないような新しい可能性に出会えない。

岩瀬式加速勉強法


東大×ハーバードの岩瀬式!加速勉強法 岩瀬大輔
タイトルは恥ずかしいけど(岩瀬さんのことを知らなかったら買ってない)、
優秀な人(東大法学部在学中に司法試験合格、ハーバードMBAで成績上位5%のベカースカラーに選ばれる。日本人は4人目。現在ライフネット副社長)がどんな勉強方法をしているのかを知る本としても面白く、自分に応用できることも書いてあった、と思う。

大きな流れは
全体の構造を把握

一次情報に触れる

一旦頭を冷やす

一点突破

自分は、まず全体の構造を把握するという部分が弱いことに気づく。
いきなり教科書の1ページ目から全部やる効率が悪いタイプ。本も全部読まないと読んだ気になれない。

著者がオススメしているのは、目次をよく見て頭に叩き込んでおくこと。
さっそくできることを試しにやってみようと思い、参考書の目次をコピーしてきた(上の写真)。参考書を使うときや、調べ物をするとき、この目次のコピーを手元に置き、どこをやっているか、どこが理解できてないのか、全体の中での位置を確認しながら勉強するようにした。

これはすぐに効果が実感できた。例えるなら、カーナビを使いよく知らない街を走っている感じ。今までは、時々嫌々ながら紙の地図を取り出し現在地を確認していた。常に全体を見ながら動くから、全体の構造自体が自然と頭に入ってくるのが体感できる。

目次なんて本についてるんだから、必要な時に見ればよさそうだけど、実際にはその都度目次を見るのは面倒だから、コピーして使うのとでは想像以上に差が大きいことがわかった。こういうちょっとしたことは自分でやってみないとわからない(ちなみに目次をコピーして使う方法は、この岩瀬さんが東大在学中に司法試験の勉強を教えてもらった伊藤真という人の本に書いてあった)。

この方法が身についただけで十分この本を読んだ価値はありました。

他に
・できない時は原因を丁寧にさぐる。精神的なものか、肉体的なものか。
・できないものはできるものに変えてやる。具体的な課題、一口サイズの作業へ。それでもできない時は、まだ作業量が多すぎる。
・自分がどういう状態の時に力を発揮出来るか把握しておく。
などが頭に残ってる。

勉強法の本に書かれている手法自体は、すでに出尽くしているのかもしれないけど、著者が率直に書いているから、好感が持て素直にやってみようという気になれる。

TRIP TRAP トリップ・トラップ

TRIP TRAP  トリップ・トラップ

いつの間にか新作が出てた。金原ひとみさんの新作短編集「TRIP TRAP」。
彼女の作品はずっと買って読んでいる.。なので、これも後でじっくり読むつもり。
女性作家の小説は、この金原ひとみさんと、綿谷りささんの作品しか読んでない。
世代が近いから共感しやすいのかもしれない。
どちらの作品も、普段言葉として意識に登らないものを削りだしてくれるから好き。
自分の中では、
金原ひとみさんの作品→なかなか寝付けないときに読みたくなる
綿谷りささんの作品→すでに眠気がきてて、これからぐっすり寝る直前に読みたい本
というイメージ。

TRIP TRAP トリップ・トラップ 金原ひとみ著

アスペルガー症候群

アスペルガー症候群 (幻冬舎新書 お 6-2)

面白くて一気読み。30分くらいで読める。
アスペルガー症候群は大きくいくつかのタイプに分けられるらしく、その症状が書いてある。アスペルガー症候群の説明はウィキペディア(Wikipedia)参照
自分にも当てはまる部分があると思ったけど、よく考えると占いみたいに、誰にでもある程度は当てはまる気もする。

アスペルガー症候群の人たちは、ある分野で特異的な才能を発揮する、という部分には興味を引かれる。けどもアスペルガー症候群の人たちがどうやったらうまく生きていけるかという箇所がもっと面白かった。

・安心できる環境で自信を持たせる
・短所を修正するのではなく得意な分野を伸ばしてあげる
・社会に適応できる方法を学習させる
・できるだけ子供のうちに対策をしてあげる。大人になるほど機会が失われていく。
・得意分野を生かせる仕事に就けるかが大きなポイント
・社会生活を送るために、様々な場面を想定したスクリプト(台本)を用意して練習させる。

要するに普通の人にもあてはまることだけど、
それを意識的にやることになるから、方法と目的が明確になってる。
日常生活の様々な場面を想定したスクリプト(台本)を用意して、この場面ではこのセリフを言いこう行動する、と決め訓練するのは応用範囲が広くて役に立つと思う。

アスペルガー症候群 (幻冬舎新書 お 6-2)

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ルワンダ中央銀行総裁日記

最近経済の仕組みに興味があり読んでみた。
ずっと理系で経済をまともに勉強したことがなく、ニュースで貿易収支や為替、財政収支の話を聞いても実感としてはわからない。ルワンダのような小さな国(当時1960年代は人口300万人、アフリカの中でも最も貧困の国の一つ)のことを知ればもっと肌感覚で理解できるかもと思い手に取る。

ルワンダ中央銀行総裁日記といっても、ルワンダ人が書いた本ではなく、当時、中央銀行の総裁として派遣された日本人が書いたものだから、客観的な視点から書かれていて、その点が面白い。今の日本のことも同じように外からの視点でみれば違った発想ができるんだろうなぁと思った。貿易収支とか外貨準備のことは少し理解できた。この国でその後、例の悲惨な事件がおこるわけだけど、本を読んだ後だと想像しにくくなる。

ルワンダ中央銀行総裁日記 (中公新書)

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