「本」カテゴリーアーカイブ

ピーター流生き方のすすめ (岩波ジュニア新書)

ピーター流生き方のすすめ (岩波ジュニア新書)
ピーターフランクルさんの新刊本。
予想通り面白かった。彼は12ヶ国語を話すので同じく岩波から外国語習得術の本を出している。その本が良かったのでこの本も読もうと思った。
家にいるとテレビに無限に時間を吸い取られるから、2~3分でいいからテレビを見たり、ネットをする前に本当に今それが必要か考える時間を作ろうという話や、テレビなどで流れる有名人をモデルにして他人の人生を生きるようなことはやめようとか、いいことがたくさん書いてある。全部ピーターさん自身の失敗談を織り交ぜて語られているからグイグイ読んでしまう。特に後半の「国際人」の章はピーターフランクルさんの本領発揮で良かった。私も最近外国の人と話す機会が増え何度もコミュニケーションで失敗をしているのでピーターさんが言いたいことがよくわかった。

ピーター流生き方のすすめ (岩波ジュニア新書)
ピーター フランクル (著), Peter Frankl (原著)
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綿谷りさ「夢を与える」「インストール」を読んだ

夢を与える 綿谷りさ

以前書いていた、綿谷りさの「夢を与える」読みました。(参照記事:綿谷りさ「夢を与える」
予想通り面白かった。アマゾンのレビューを見るとありふれたストーリーと書いてる人がいたけども、世の中のほとんどのことはありふれていて、それをどう描くかに面白さがあると思う。そのどう描くかについて綿谷りさはセンスがある。よい小説は言語化されないまま脳に存在している物に言葉を与えてくれる。この「夢を与える」は前作の「蹴りたい背中」よりさらに精密に物事が描かれていて、作家として数段成長したように感じられました。
綿谷りさ「夢を与える」(amazon)

インストール 綿谷リサ
「夢を与える」が良かったので、綿谷りさの他の本も読もうと重い「インストール」を買いました。(「蹴りたい背中」は芥川賞受賞作が載る文芸春秋を買ってリアルタイムで読んでいた。

この「インストール」は彼女が高校生の時に書いた小説だそうで、嫌でもその才能を感じさせられます。文体がどうとか、内容がどうとか関係なく、一言でいうと作品全体を通して感じられるセンスがいい。私は人間の能力なんてものは誰もそんなに変わらないと思ってますが(20歳過ぎてやっと気づいた・・・)、ときどきある特定の能力に関しては標準偏差の外にいる人間もちゃんと存在するのを知って嬉しくなります。

インストール 綿谷りさ(河出文庫)amazon
私は単行本を買って読んだんですが、アマゾンを見てみると、文庫版が出ていて、インストールの文庫版には「You can keep it.」という書き下ろしの短編が収録されているとのこと。これ読んでみたいから、文庫版も買わないと♪。
今回、綿谷りさの「夢を与える」を読んでみて、私の中のこの作家の新作が出たら必ず買って読むリストに入りました。

THE21「一流の読書術vs.二流の読書術」

PHPから出ている雑誌「THE21」が読書の特集をしていたので読んでみた。
目次をざっと見て岩瀬大輔さんと成毛眞さんの名前が目に留まった。
岩瀬さんのあとに成毛さんを持ってきたのはわざとなんでしょうか。岩瀬さんは多読否定派、成毛さんは本は10冊同時読めの多読派。でも記事を読むと二人が言ってることはほとんど同じように見えた。

岩瀬大輔さん
・月20冊程度本を買い、ちゃんと読むのはそのうち数冊
・著者名と経歴で本を選ぶ
・目的を持って読む、目的なしに読むのはジムでだらだら1時間走って運動した気になっている駄目な人と同じ
・自分の今の仕事にどう使えるのか、常に頭をすり減らしながら読む
・拾い読み派。完全に本を読むこと自体には意味はない。
・1冊の本で、一箇所だけ自分に役に立つ箇所を見つけるようにするといい
・すぐに役に立たない場合は、ブログに読書感想文を書くといい。

とても正直な内容で、気持ちいい。拾い読むというのは考えてみれば合理的な方法なんだけど、自分の場合、読書は小説から入って一時期のめり込んでいたから、本は完全に最初から最後まで読まないといけないという思い込みがある、ということに最近きづいた。だから本を読むか読まないかを0か1で考えて、役に立つところだけ読むということに抵抗感がある。これは慣れの問題で変えることができるから、ケースバイケースで実用書などはもっと効率よく読めるように今から気をつけることにする。

成毛真さん
・本をトン単位で数えるほど多読する
・目的無しに読む
・読書はビジネスには役に立たない。でも本を読んでない人とは話が合わない。
・常に関係ない分野の本を同時進行で読む。
・新刊本はサイトですべてチェック
・完全に最後まで読む本はほんのわずか、つまらなかったら途中で読むのをやめる、無駄な本を読むほど人生は長くない。
・一つの本で一箇所でも、いい箇所があれば十分。
・たくさん本を読めばいい本を見分ける力は自然とつく

一見すると勘違いされそうな記事の内容。
成毛さんは趣味の読書といっているけど、この記事が載ってる雑誌がビジネスマン向けの雑誌という・・・。
この趣味の部分を頭にいれてフェイルタリングして読むと、上の成瀬さんと言っていることは似ていると思う。
自分に取って役に立ったのは、二人とも本を全部読むことはせず、必要な部分だけを読むという合理的な行動をしていることでした。

二人の記事を読んだ後に雑誌の最後の方を見ると小雪さんの綺麗な癒される写真があって、まんまと癒されました。

「傷はぜったい消毒するな」を読んでみた。

傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 夏井睦 (光文社新書) 傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)

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昔から疑問に思ってきたことが、この本を読んですっきりしました。
いわゆる湿潤治療について書いた本です。
少し前から普及してきたジョンション&ジョンソンのバンドエイド キズパワーパッド(楽天へリンク)がこの湿潤治療の考え方を使ったもので有名です。
公式サイトはこちら
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今アマゾンの絆創膏のランキングを見たんですがこのキズパワーパッドが一番売れていました。
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湿潤治療とは傷の種類や程度にもよりますが傷を消毒剤で消毒して乾燥させるより、汚れだけ水とかで落としてあとは適度な湿り気を保っておくほうが早く直るという治療法で、自分の今までの経験から考えてもなるほどと思う。怪我して消毒するよりほっといたほうが早く直る経験って何度もあったんですよねぇ。
今は自宅とかばんの中にこのキズパワーパットを常備しています。今まで何度か使ったことありますが治る速度が速いのが実感できました。

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中谷美紀のパピルスの連載を読む

幻冬舎の月刊誌(papyrus)パピルスを毎月読んでいます。
必ず読むのは佐藤優「十五の夏」と中谷美紀「女心と秋の空」。
先に佐藤優氏の熱い文章を読んだあとに、中谷美紀さんの連載を読みます。
するとちょうどいい具合にいい気分になります。

二人の連載は男と女の人間の違いを象徴したようなものでどちらも面白い。
佐藤さんの連載からは目的に向かって突き進む熱いものを感じる。
中谷さんの方からは、女性にしかできない人の心をほっとさせる物を感じます。