「本」カテゴリーアーカイブ

佐藤優パピルス連載中の「十五の夏」

papyrus (パピルス) 2009年 10月号 [雑誌]
papyrus (パピルス) 2009年 10月号 [雑誌]

幻冬舎から出ている月刊誌「papyrus」パピルス。
今月はCOCCOの表紙が衝撃的です。
私はパピルスを毎月読んでいます。papyrusに連載中の佐藤優さんのノンフィクション「十五の夏」が楽しみだからです。
他に、中谷美紀さんの連載も何気に楽しみ。

私が佐藤優さんの連載の中で一番好きなのはこの「十五の夏」です。
佐藤さんの少年時代を通して、ビジネス誌での連載で書かれているような、勉強や人生でのヒントとなるようなことが書かれています。
今月は、佐藤少年が受験に合格して、休みの間に北海道旅行に行き、北海道大学の学生に出会うところで終わります。
この学生が佐藤少年に語る内容にはしみじみと感じるものがあります。

あと、佐藤少年の数学の先生のことをある大人が語る場面があります。「あの先生は自分に自信を持っているから大企業に入ったり、大学の先生になったりする必要がない。自分の能力を若くて吸収力のある若者に教えようとしている立派な人だ」みたいなこと。こういうことをさらっと書くから佐藤氏の連載が好きのかもしれない。

綿谷りさ「夢を与える」

前から読もうかどうか迷っていた綿谷りさの小説「夢を与える」。
佐藤優の新刊「功利主義者の読書術」を読んでいたら、本の中でこの綿谷りさの小説「夢を与える」が紹介されていてベタ褒めされていたので、素直に読んでみることにした。まだ途中だけど、あらすじを読んで想像していた印象とは良い意味で違う。ストーリーは芸能界の中で育っていく一人の女の子の話で一見ありふれたているけれでも、主人公の女の子が、実は海とか自然に魅せられていたり、芸能界の仕事で車のレースの話が出てきたり、とやけに現実味のある話になっている。小説にならなさそうないかにもありそうな話、それを才能のある人が書くとこうも面白く読めるのかと思う。ありふれたものを、精密な描写によって描き出すことで、普段は無意識の中にあるヒリヒリしたものを引き出して目の前にそっと持ってきてくれる。例えるなら、普段そこらへんいいる昆虫を電子顕微鏡で拡大して見ると神秘的なものを感じるのに似ている。綿谷りさという人は、観察力とその観察したことを表現する能力がずば抜けているだろうと感じる。素晴らしい小説だけど、表面的なストーリーだけみるとつまらなそうに見えるから売れにくい本だろうなぁと思う。

綿谷りさ「夢を与える」amazon

佐藤優「時間を圧縮した本の読み方」

週間東洋経済、佐藤優の「知の技法 出世の作法」、今回は2週間ぶんまとめて読んだ。
タイトルは「時間を圧縮した本の読み方」と「勉強会を活用して、時間を効率的に使う」。

「時間を圧縮した本の読み方」
・読む本の分野の基礎知識がないまま、本を読んでも、それは読書ではなく、ただ本のページを指でめくるという運動にすぎずそれは読書ではない。
・外交官時代は毎朝20センチくらいの厚さの書類を数時間で読んでいた。それは知らないことだけを選別して読んでいたからできた。
・佐藤優さんは今発売されている新書でもロシア関係の本ならたくさん読める、ただし知らない分野の本ならそれほどは読めない。
・基礎知識がある分野の本なら、自分が知らないところだけ読めばいいから早く読める。
・要は早く読むというのは、知っているところと、知らないところを区別する作業。
・楽しんで読む小説などは全く別として考える。

「勉強会を活用して、時間を効率的に使う」
・体系立てて確立されている分野の勉強などなら、その専門分野の先生などから教えてもらうことにより数十倍効率良く学べることがある。
・わかりやすく教えてくれる先生を探すことが大切。

本の読み方に関しては、僕の場合は本は全部読まないといけないような強迫観念というか思い込みがあるから(単に貧乏性かも)
買った本は全部完璧に読むか途中で読むのをやめて投げ出してしまうかのどちらかで、本の内容で知っている部分と知らない部分とを分けるという考えはなかった。本を読みながら内容を既に知っていることかどうか判断する、そして知っている部分はさっと読み飛ばし、知らない部分は集中して読む、これは今度から早速実行に移そうと思う。

体系立てられた学問分野などは専門の先生にならうと効率がいいことについて、佐藤優さんはモスクワ大学で勉強したときのことを例に出してた。
僕の場合は根拠のない全能感が抜け切ってないから、どうしても独学でなんでもやってしまおうと考えてしまいがちだけども、最近は何度か失敗を経験して、素直に人から教えてもらうことができるようになってきた、そのほうが効率が良い場合って結構多い。

この前たまたま佐藤優さんのラジオを聞いていたら新刊の紹介をされていたので久しぶりにアマゾンで著書をチェックしたら、面白そうな本が何冊か出ていた。

甦る怪物(リヴィアタン)―私のマルクス ロシア篇
モスクワ大学時代に、戦争などロシアの闇の部分に触れた若者たちと接して、この記録を残さないといけないという思いから書いたみたいなことを言っていて非常に面白そうだった。アマゾンの評価もいい。以前は佐藤優さんのこういうロシア関連の本には興味がなかったけど、勉強法の本などを読んで行くうちに自然とロシア関連の本にも興味が湧いてきている。たぶんこの本は買って読むと思う。

功利主義者の読書術
「役に立てる」という視点から本を読み直せ!という内容らしい
タイトルがそのまんまで佐藤優さんらしい。こういういわゆる勉強法みたいなテクニックに的を絞った本は嬉しいし売れると思う。
ロシア関係と勉強術関係の内容が混ざった内容だと、それぞれの対象とする読者が比較的分かれていると思うから、本を手に取りにくい感じがしていた。

PHPのTHE21の香山リカの記事

THE21 2009年9月の特集は「時間貧乏な人」vs.「時間リッチな人」の習慣

この中で香山リカさんの記事が気になったのでメモしておく

・人間をもっとも苦しめているのは「思い込み」かもしれない
・計画を立てて実行しようと無理にしなくていい、臨機応変に柔軟に動くことが大切
・現代は即断即決が良しとされているが思い込みに過ぎないのでは?
・むしろ大事な決断こそそこで決断せずに時間をおいて決めるべき
・精神科医としてたくさんの患者を診ていると、いきなり大きな決断をしようとする人はストレスを抱えていることが多い
・ストレスを抱えて苦しいから、大きな決断をして一発逆転を狙おうとする
・0からやろうとしない
・既にあるものを上手く利用することが大切
・学生の論文を見ていても0から自分でやって何か変わったことをやろうとしている人は結局資料の寄せ集めみたいな物を出してくる。
・すでにあるマニュアルを利用して、効率よくやる人は自然と独特のものが出てくる。

この香山リカさんの記事で一番印象に残ったのは、ストレスを抱えている人はいきなり大きな決断をしがちだということ。
自分の経験を振り返っても当てはまっている。余裕があるときは絶対しないようなことをストレスを抱えているときにはやってしまう。
株なんかで損取り戻そうとして、下がり続ける株をナンピンしたり、無理なレバレッジをかけて一発勝負をしてしまう人の心理も似たようなものな気がする。
ただストレスを抱えると一発逆転を狙うというのが人の自然な行動とするなら、一発逆転が成功することもあるだろうから、100%それが駄目ってわけでもない気がする。例えばストレスを抱える環境で生活していて、そのままだと死んでしまうという時、大きな決断をしないといけないから。要はストレス自体に影響されずに冷静に状況を判断して決断して行動することが大切なんだと思う。

香山リカさんが書いていた記事をまとめると
・計画通りにしなくてもいい、柔軟に行動する
・0からすべてやろうとしない、既にあるものを上手に利用する
・ストレスを抱えたときに大きな決断をしない、時間をおいてみる

佐藤優「朝の30分間を学習の時間として確保する」

今週の週間東洋経済、佐藤優の「知の技法 出世の作法」のタイトルは「朝の30分間を学習の時間として確保する」というもの。

前回からの続きで、通勤時間に座席を確保できない人や、通勤時間が短くて、通勤途中に勉強できない人のためのアドバイス。

  • 朝、仕事場だと仕事モードになるので、他の部屋や喫茶店などで勉強時間を確保する。
  • 外国語の文献を読んでいると、30分くらいで集中力が切れ、同じところを繰り返し読んだりする。ほんとうに集中できるのは20分くらい。
  • 定規を当てながら文章を読むと集中力が上がる。外務省時代翻訳の専門家の人が使っていた方法。
  • 語学には向き不向きがある。外務省時代、部下に個別で仕事が始まる前に毎朝30分ほどロシア語を教えていたが、向いている人は2ヶ月ほどで大学の第二外国語で勉強する内容は習得する、向いていない人でも半年で習得していた。
  • あとでその時の部下から、緊張感があったのでよく勉強できたと言われた。
  • 大事なのは、緊張感を持って知性を発揮できる自分の状態を肌感覚で理解しておくこと。

この佐藤優さんの連載内容を一度読んで頭にいれ、再度ブログに書くために正確に再現しようとしても、まだまだ上手くできない。
読みながらポイントとなるキーワードなどを抑えてはいるんだけど、頭の中でまとめる段階まではいかない。
文章を読みながら、アウトプットするときの文章をイメージできるように意識して少しづつインプットとアウトプット
つまり情報を正確に理解することができるようになりたい。