綿谷りさ「夢を与える」「インストール」を読んだ

夢を与える 綿谷りさ

以前書いていた、綿谷りさの「夢を与える」読みました。(参照記事:綿谷りさ「夢を与える」
予想通り面白かった。アマゾンのレビューを見るとありふれたストーリーと書いてる人がいたけども、世の中のほとんどのことはありふれていて、それをどう描くかに面白さがあると思う。そのどう描くかについて綿谷りさはセンスがある。よい小説は言語化されないまま脳に存在している物に言葉を与えてくれる。この「夢を与える」は前作の「蹴りたい背中」よりさらに精密に物事が描かれていて、作家として数段成長したように感じられました。
綿谷りさ「夢を与える」(amazon)

インストール 綿谷リサ
「夢を与える」が良かったので、綿谷りさの他の本も読もうと重い「インストール」を買いました。(「蹴りたい背中」は芥川賞受賞作が載る文芸春秋を買ってリアルタイムで読んでいた。

この「インストール」は彼女が高校生の時に書いた小説だそうで、嫌でもその才能を感じさせられます。文体がどうとか、内容がどうとか関係なく、一言でいうと作品全体を通して感じられるセンスがいい。私は人間の能力なんてものは誰もそんなに変わらないと思ってますが(20歳過ぎてやっと気づいた・・・)、ときどきある特定の能力に関しては標準偏差の外にいる人間もちゃんと存在するのを知って嬉しくなります。

インストール 綿谷りさ(河出文庫)amazon
私は単行本を買って読んだんですが、アマゾンを見てみると、文庫版が出ていて、インストールの文庫版には「You can keep it.」という書き下ろしの短編が収録されているとのこと。これ読んでみたいから、文庫版も買わないと♪。
今回、綿谷りさの「夢を与える」を読んでみて、私の中のこの作家の新作が出たら必ず買って読むリストに入りました。

ビジュアルシンキング

日経アソシエの記事で絵の書き方のアドバイスで役に立ちそうなのがあった。

・物を逆さに描く
人間は普段理解していない部分も頭の中で想像して勝手に埋め合わせしてるから、物を逆さまにして描くことで普段見えていない部分が把握でき描く力が鍛えられる。これはなるほど~♪と納得。

・上手く描くことよりも、細部まで丁寧に描くことがポイント
物にしろ、頭の中にある考えにしろ、絵に描くときには細部まで丁寧に描くことが重要。そうすることで自分がわかっていない部分に気づくことができる。
絵に限らずアウトプットすると自分に足りない部分が浮かび上がるのは同じ。アウトプットするとき丁寧にやることでより効果があがる。

情報に出会うより引き出すことが大切

今本屋に置いてある、日経ビジネスアソシエに面白い記事が載ってる。

人間の記憶の話についてで、人間は生き残るために必要な情報以外は忘れるようにできている。だから歴史の年号などは脳に繰り返し覚えさせて大切な情報だと錯覚させないといけない。これはよく聞く話。ここからが私が知らなかった話です。今までは情報に繰り返し「出会う」ことが記憶に大切だと考えられていたけど、少し前に出た論文によると、重要なのは繰り返し情報を「引き出す」ことだという結論が出たという話。

だから何事でもわからなくてもどんどん使ってみることが重要だということでしょう。マネが上手い人ほど、技術の習得が速いというのもこの話と関係しているような気がする。

「動機付けと時間の圧縮」佐藤優

週間東洋経済、佐藤優「知の技法 出世の作法」
「動機づけができれば時間を圧縮できる」と「時間を圧縮する技法の身に付け方」の2回分まとめてメモ。
最近の内容はわかりにくくなってきた。

「動機づけができれば時間を圧縮できる」
・勝間和代さんの本から引用、勉強法の本はどれも基本は同じ、やる気がが出ればそれで十分
・そのやる気で動機付けができたら、次は目的を決める
・目的は常に時間とセット。
・また勝間本からの引用、努力は時間で定量化できる。
・動機付けができたあと、どうやって効率よく勉強するか?
・知の巨人から教えてもらうのが一番、ただ知の巨人は忙しいから自分のことに時間を使う
・立花隆さんの話、彼は学生時代英語の個人授業を受けていた。脂汗の出る体験だったが、それが役にやった。
・佐藤優さんも1対1での個人授業がもっとも効率よく勉強する方法だという意見

家庭教師の経験はあるけど、1対1の場合相性が合わないとストレスだけたまる気がする。勉強自体じゃなくて、人間関係でストレス作ると勉強も身につかないと思う。逆に相性が良ければ1対1の効果は絶大。

「時間を圧縮する技法の身に付け方」
・脂汗を流すほどの経験をすると役に立つ
・大学の講義は人数が少なくなるほど密度が濃くなる
・佐藤優さんの学生時代の話、同志社大学時代の少人数ゼミで非常に難しい翻訳をさせられた
・各個人に文章が割り当てられ、辞書に載っていないような難しい単語が含まれる文章を訳す必要があり脂汗が出る経験をした
・この経験が外務省に入ってからも役にたった
・重要なのは脂汗を流して、勉強した内容ではなく、脂汗を出して勉強したという経験。

少人数ゼミの話は同じような経験があるからよく理解できた。
脂汗うんぬんの話は、受験勉強の話に例えるとわかりやすい。受験で勉強した内容も役に立つけど、目標を決めて、努力してそれを達成するという経験があると、それ以降も頑張りが効くという話だと思う。

アクセラの生産台数と輸出台数に見る

マツダのサイトに生産台数と輸出台数のデータがあったので見てみました。

http://www.mazda.co.jp/corporate/publicity/results/2009/090728_product.html
マツダ、2009年6月および1~6月の生産・販売状況について

7月分はデータがわかりにくいので、6月分までのデータを見ました。

6月だけの1か月分のデータを見ると

国内の工場で生産された台数は
「アクセラ」 : 33,102台
「デミオ」 : 13,954台

この内日本国内で販売された台数は
「アクセラ」 : 2,702台
「デミオ」 : 5,159台

生産台数に比べて国内での販売台数が極端に少ないのが一目瞭然です
そこで輸出のデータを見ると

輸出は
「アクセラ」 : 29,664台
「デミオ」 : 9,163台

アクセラは国内販売台数の10倍、デミオは2倍くらいが輸出にまわっています。
アクセラのほとんどが海外で売れているのがわかります。

さらに海外の工場で生産された車種のデータを見ると

「アテンザ」 : 11,646台
「アクセラ」 : 5,352台

これ6月の単月で生産された台数です。
アテンザの生産が多いことに気づきます。
アテンザは海外での名前はMAZDA6。この車は特に中国で今売れてるんですよね。マツダが合併で作った「一汽マツダ汽車販売有限公司」という会社で作っているマツダ6は1~6月に約4万台売れています。現地生産なので単純に国内のアテンザと比べることはできないでしょうけど。中国のサイトを見ているとよくこのMAZDA6の広告を見かけます。

こうやって実際のデータをみるといろいろ気づくことがあって興味深いです。