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佐藤優の東洋経済の連載 「場所を変えることで時間を圧縮できる」

週刊 東洋経済 2009年 6/13号 [雑誌]
週刊 東洋経済 2009年 6/13号 [雑誌]

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今週の東洋経済の佐藤優の連載「知の技法 出世の作法」は「場所を変えることで時間を圧縮できる」というもの。
タイトルを見ただけで、「うんうん、場所って重要だよね」と1人で納得してしまいました。
例えば東洋経済みたいな週刊誌ですが、立ち読みするとめっちゃくちゃ集中して読みます。けど買って家で読もうとすると一度も目を通さずに放置したまま。こんな経験がある人はいませんか?僕は何度もあります・・・。もちろん人によって立ち読みは集中できないという人もいて、そういう人は立ち読みをしないんだと思います。

立ち読みする人はみんな集中しているはずなので、この仕組みと佐藤優さんが書いていることって根本的には同じことだと思うんですね。佐藤優さんは、ある勉強会を非常に歴史のある古いお寺でやると、その場所の環境によって例えば同じ勉強を大学の講義でやった場合と比べて短時間に圧縮できるというようなことを書いていました。立ち読みで一番大きいのは制限時間があるから、それを意識して集中しやすいんだと思うんですね。本屋でいつまでも立ち読みするわけにはいきませんから。逆に買って家で読むときは、好きなときに読めるわけですから、逆にいうといつまでも読まなくてもOKなんですよね。だから家で読む本というのは相当好きな本、立ち読みはするけど家では読まない本は別に読まなくてもOKな本ということも言えます。

話がそれましたが、佐藤優さんが書いていることってわかりやすい勉強に例えると、家だと勉強に集中できないけど、学校の自習室や図書館などだと集中しやすいってことだと思うんですね。これをもっと身近なところで応用するとすれば、まずは自分の部屋を掃除して余計なものは置かないことだと思います。部屋に全く勉強と関係無いものが散乱していたり、いつも勉強中にテレビをつけてやっている人というのは、佐藤優さんがいう「時間を圧縮する」ではなくて逆に勉強にかかる「時間を膨張する」と思うんですね。これは自分の実体験として痛いほどわかります・・。この辺のことにはだいぶ前に気づいていたので、今では部屋に余計なものは置いてないし、テレビもほとんど見なくなりました。物事の因果関係を自分の体で理解できると努力とか精神論じゃなくて、自然と習慣が変わるんですよね。来週の佐藤優さんの連載は「明日できることを、今日やるな」だそうです。これまた期待できるタイトルですね~。

針治療の効果の科学的メカニズム

針治療(鍼治療)って昔から興味があったんですが、正直胡散臭いとも感じていて今まで実際にやったことはありません。
しかし、最近針治療が何故効くのか?ほんとに効果があるのか?という針の効果のメカニズムについて科学的にわかってきたことがあるらしいです。

ほぼ日刊イトイ新聞 – 脳の暗黒大陸。
上記サイトは脳についての話がメインで脱線して鍼治療の効果について語っています。

それによると、針治療のメカニズムは

  1. 針を刺すのはただ細胞を壊しているだけ
  2. 細胞が壊れるということは生命にとって危ないことなので危険信号が出る
  3. その危険信号が神経を伝わって他の部位にも伝わる。
  4. 危険信号を受け取ると、修復しようとして治療が行われる。
  5. よって神経線維が集中しているところの細胞を壊すと、全然関係ないようなところが治療されてしまう。
  6. この神経線維が集中しているところがいわゆる「つぼ」

どこまで完全にわかっているのかわかりませんがこの説明はなるほどと思わされますね。
今度試しに一度針治療を受けてこようと思います。

「のうだま―やる気の秘密」を読んで考えたこと

「のうだま―やる気の秘密」を読んだので感想を書いておく。
「ほぼ日刊イトイ新聞 – 脳の暗黒大陸」こちらにこの本についての上大岡トメさん×池谷裕二×糸井重里の対談があります。

結論から書くと、「のうだま―やる気の秘密」は案外良い本なので3日坊主に悩んでいる人にはおすすめ。ぶっちゃけ最初と最後だけ読めば5分で内容は頭に入ります。けど上大岡トメさんの絵と文章も読んだほうが頭に入りやすいです。
僕はこの本の存在自体知らなくて、池谷裕二 単純な脳、複雑な「私」を買いに行ったら横に並べてあったので読んでみました。もっと売れていい本だと思うけど「のうだま―やる気の秘密」というタイトルが良くないんだろうか。

以下、「のうだま―やる気の秘密」の読書メモ

三日坊主はあたりまえ。当たり前だと認めたうえで戦略を練る。
例えば新しい電気製品を買って便利だと感動する。でもいつまでも感動していたら生活環境すべての物に感動しつづけることになる。
だから慣れることは生きていくための当然の機能。

脳は頭蓋骨の中の暗闇に閉じ込められている。外から刺激を与えないとやる気は出てこない。

やる気を出すためには以下の4つが効く

  • 行動:まずは体を動かす。勉強ならとりあえず机に座るとか。
  • 刺激:毎回同じことをしていたら飽きやすい。ちょっとした刺激を定期的に与える。
  • 報酬:上手く行ったときに報酬を与える。
  • 成り切り:設定している目標に到達したときの自分に成りきる。

これだけなんですが、こうやって書くとわかりにくい。実際に「のうだま―やる気の秘密」を読むとよくわかるんですが。自分の経験と照らし合わせても当たっていると思います。

この4つを見ると学校がよくできたシステムだとわかります。
行動:学校に通学する。教室で机に座って勉強する。
刺激:同級生がいる。授業があって毎回進展がある。
報酬:学校が規則があるので終わると開放され気持ちよく感じる、授業の後の休み時間も。学校に行くと将来楽だという雰囲気がある。
成り切り:卒業したら自由に楽になれる、例えば高校なら大学生を見て。というわかりやすいお手本があるから想像しやすい。

他に例えば語学を勉強するとして独学より語学学校に行ったほうが続きやすいのは
行動:学校に通う
刺激:同級生がいる。授業が強制的に進む。
報酬:お金を払うから学校に行くことで無駄にしなかったという報酬がある。
成り切り:ネイティブの人と接するのでネイティブに成り切りやすい

今、私が独学でやっている中国語の勉強が続いているのをあてはめると
行動:勉強机を用意して環境を整えているから机に座って勉強するという行動に移りやすくしている。やる気が無くても取りあえずノートに文字を書くようにしている。夜寝るとき本を読む習慣があるので本の種類を中国語に変えることで応用。
刺激:中国人と直接話す機会がある。知らない分野をどんどん勉強している。基礎を1から完璧に100%やろうとしてないからどんどん刺激を受ける。100%やろうとしたら飽きて続きにくい。
報酬:中国人と話すたびに前より話せるようになってることが実感できる。参考書の学習が着実に進んでいるのを見てどのくらい身についたか確認できる。
成り切り:中国人と話す機会があるので中国人になった気になりやすい。

具体例を考えてから再度4つのことを自分なりにまとめると
行動:勉強なら机に座る、ノートに書く。
刺激:同じことを繰り返しやり過ぎない。新しい分野に行く。新しい参考書、情報、に触れる。
報酬:小さいステップで目標を定めて、クリアしたものを確認しやすくすると達成感が得られる。先行投資することで損せずに済むという報酬が得られる。
成り切り:具体的な目標を定める。語学なら現地に旅行で行くとか。実際に生の情報に触れるとなり切りやすい。

よく考えると「のうだま―やる気の秘密」に書いてあることは試行錯誤している人たちが自然にやっていることです。でもこの本みたいに科学の分野の話として書かれているともっと意識して応用できると思います。4つの中で僕が一番重要だと思うのは、報酬を与えることです。それもできるだけ具体的な小さなステップに分けて、それを達成することで達成感という報酬をえることです。この具体的なことをやった、という気持ちよさの威力は相当なものです。それと、私の場合、一つ得していると思うのは、昔から寝る前にベッドで本を読むという習慣があったので、何か勉強したいときはその本を読むことが習慣化しやすいことです。本を読む習慣があるからあとは、どんな本を読むか?が問題で、最初はサルにもわかる式の本を数冊読み全体像把握、詳しい本を買って一分野ずつ大まかに理解していく、上級者向けの本を見て自分の理解力とのギャップを確認する。これは今まで試行錯誤してたどり着いた自分なりの方法です。問題は本だけじゃ学べないことがあるからで、その辺がこれからの課題です。

のうだま―やる気の秘密
のうだま―やる気の秘密 上大岡 トメ

おすすめ平均
stars読むべきかどうか迷うなら、読め!
stars三日坊主が解消できそう
starsやってみる(行動力)の意味を知る点でグッド
stars脳はあきっぽくできていて三日坊主は当然である・・・。
stars脳を味方につけるのだ。

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川本真琴のことを思い出す

eno blog: 川本真琴『桜』

飯野賢治さんのブログを見たら「川本真琴」について熱く語っていた。僕も川本真琴は凄い能力を持っていると思っていたから内容には同感できる。飯野賢治さんみたいに、言語化して表現することはできないけど。

僕は普段あんまり音楽は聞かない。車を運転するときもラジオか、中国語と英語の勉強用のMP3を聞いている。音楽を聴くとすれば坂本龍一の曲くらい。もうだいぶん前だけども川本真琴がデビューした当時、彼女の曲を聞いてなぜかCDを買った。

川本真琴の曲のどこが良かったのか説明できないが、飯野さんが書いていたように川本真琴の作詞が良かったのかもしれない。テーマについては飯野さんが詳しく書いてるので置いとくけど、歌詞を聴いて、耳から直接脳の奥深いところに入ってくる感覚があった。1→2→3→4→5→のように論理的に言葉を繋いでいるのではなくて、1→5→12→34→のように一見無関係に思えるような言葉が並んでいる、けどそれが絶妙な記憶を結ぶキーワードになっているから、例えば1の次に100がきてもその間の→2→3→・・・→98→99→を脳内で素早く補完して理解できる。川本真琴はその跳べる(跳ばせてくれる)距離が人並みはずれている。普通はせいぜい1から10までしか跳べないのに、一気に1から100に跳べるから、ある閾値を越えて脳内で気持ちいいと感じるんじゃないだろうか。言葉を必要最低限選んでベストな組み合わせを選ぶという、これってほんと面白い小説の場合と同じだなと思う。要するに組み合わせが上手いのは創造力があるってことだから、やっぱり川本真琴は天才ということになる。

追記:川本真琴が9年ぶりにソロアルバム「音楽の世界へようこそ」で完全復活だそうです。
参照記事:川本真琴が9年ぶりに復活
楽しみ。

川本真琴 川本真琴
川本真琴

ソニーレコード 1997-06-25

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岩瀬大輔さんの動画を見た

日経ビジネスアソシエ プロフェッショナル解体新書 ネットライフ企画の岩瀬大輔

岩瀬大輔さんの連載は雑誌やネットで見かけたら読むようにしている。
動画で見るのは始めて。面白かったので岩瀬大輔さんの発言の中で気になったことをメモ。

  • 自分の強みは、自己認識というか一歩引いてわかること
  • ブログで面白いと言ってもらえる記事は、みんなわかってたけどモヤモヤしていた物をはっきり言葉にしたもの。
  • 仕事が速い人、上手な人を見ていると、何が自分の仕事の障害になっているか?どうすれば上手く行くか?が見えていてそれを意識して仕事している。そういうことが昔から得意だった。

このインタビュー見てすぐに茂木さんが話していたミラーニューロンのことを思い出した(参照記事)。
以前からうすうす感じていたんだけど、自分を1人の他人のように外からの視点を持ち観察できる人というのは、自分だけじゃなく他人を観察することも上手。順番としては、まず他人を観察する力がついて、それによって自分自身を観察する力も伸びる、もしくは両方がフィードバックしながらほぼ同時に伸びていくのかもしれない。という気がしている。これにはミラーニューロンが関係してるんじゃないだろうか。

ミラーニューロンは抽象的なものではなく、具体的な行動によって機能し、また対称との距離も関係しているらしい。
「つまり生身の人間を前にしないと人間は本気になれない」ってやつ、たぶん

http://diamond.jp/series/takagi/10013/
http://diamond.jp/series/takagi/10014/
ライフネット生命保険株式会社
岩瀬大輔代表取締役副社長 に聞く
「“相手の視点”に、成功のヒントがある」

このインタビューに載っていた以下

岩瀬 プレゼンにかぎらず、僕が好きな仕事スタイルは“クイック&ダーティ”です。完璧なものを2週間かけてつくるより、短期間でつくったり壊したりを繰り返したほうがいい。

 だからBCGにいたときも、「こんなにちょこちょこ上司のところに来るヤツは初めてだ」とよく言われました。とりあえずワッとつくれるだけつくって、すぐに上司のところに持っていく。そして「ここで悩んでいるんですけど」と相談を持ちかけて、その場で赤ペンを入れてもらう。そうすると、すぐ次に進めますね。この回転の速さが重要だと思います。

この辺読んでいかにもミラーニューロンが活発に働きそうなことしてるなぁと感じた。実際にはミラーニューロンのことはまだわかってないことが多いらしいけども、こういう実際に行動し、数をこなすと自分の能力が上がるスピードが速いというのは実感として凄くある。